佐伯勝敏教授が第77回電気学会学術振興賞 論文賞を受賞しました
電子工学科 佐伯勝敏教授と本学大学院電子工学専攻を修了した堀口拓氏(現在,TDK株式会社勤務)は
5月28日に開催された電気学会通常総会において、「令和3年 第77回電気学会学術振興賞 論文賞」の表彰を受けました。
本賞は,電気学会論文誌および共通英文論文誌に発表された優秀な論文の著者に贈られる賞で,
表彰題目は、「複素インピーダンスを用いた低濃度酸化性ガスセンサ」です。
工場や自動車等から多く排出される大気汚染物質である二酸化硫黄(SO2),二酸化窒素(NO2)は,
現在では,都市部でのビルや家庭等の暖房,厨房施設からの排出量も無視できない状況になってきており,
1ppm以下の低濃度であっても人体に影響を及ぼします。
本論文は, NO2とSO2の選択性向上を目的に,低濃度酸化性ガスセンサの開発について検討を行ったもので,
Si 基板上にくし形電極を形成し,感応膜を塗布することで低濃度酸化性ガスセンサを開発しています。
このセンサを用い,くし形電極の等価回路を参考に,
複素インピーダンスのレジスタンスおよびリアクタンスの変化量からガスを計測できる手法を新に提案し,
NO2 濃度0.1ppm~0.9ppm ,SO2 濃度0.6ppm~1.4ppm の低濃度範囲で混合気体の濃度測定が
可能であることを明らかにしています。
なお,本センサは,Si基板上に作製しているため,
今後は,佐伯勝敏教授らが開発している次世代型人工知能である
ブレインモルフィックデバイスへの搭載も視野に入れて研究を進めています。