日本大学 理工学部 電子工学科

電子工学専攻2年の吉川大貴君が,電子情報通信学会の磁気記録・情報ストレージ研究会で委員長賞を受賞しました。

 2014年7月17日に開催された電子情報通信学会の磁気記録・情報ストレージ研究会において、塚本新准教授の指導する電子工学専攻 博士前期課程2年の吉川大貴君が、委員長賞を受賞しました。題目は「全光型超短熱パルス誘起磁化反転のGdFeCo副格子磁化依存性」です。本研究は、超 短熱パルス誘起磁化反転という現象が従来型の磁場印加による磁化反転現象と極めて異なる特性になることを実験的に明らかにしたものです。
 ハード ディスクドライブ (HDD) の記録原理である磁場印加による磁化反転では、強磁性共鳴限界と呼ばれる記録の高速化における物理原理的限界に近付きつつあり、高度情報化社会における一 つの大きな課題となっています。対して全光型磁化反転では、磁場印加を必要とせず、数十フェムト秒の極短時間 (フェムト秒は10-15秒) の光パルスのみにより誘起されます。本研究により全光型磁化反転は磁場印加型の磁化反転と大きく異なり、全体の磁化を構成する各元素由来の磁化 (副格子磁化) の極短時間の挙動が重要で、印加磁場に対しほぼ独立した反転であることが明らかとなりました。これにより、強磁性共鳴限界を超えて記録速度を高速化する手 段の一つとしてこの全光型磁化反転が有効である可能性を示しました。

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