電子工学科 塚本新教授の京都大学化学研究所 研究グループ他との共同研究の成果が英国の科学誌「Nature Nanotechnology」のオンライン版に掲載され、日本大学と京都大学の共同プレスリリースが行われました。
電子工学科 塚本新教授、吉川大貴助手、二川康宏君(元電子工学専攻修士課程学生)らの京都大学化学研究所 研究グループ他との共同研究の成果「フェリ磁性体においてスキルミオンホール効果消失を実証 -スキルミオンを利用した高密度磁気メモリの実現へ道筋-」が、1月22日付で英国の科学誌「Nature Nanotechnology」のオンライン版に掲載され、日本大学と京都大学の共同プレスリリースが行われました。
<理工学部ニュースより一部転載>
電子工学科 塚本新教授(専門:情報記録、磁性材料)が、小野輝男 京都大学化学研究所教授、Duck-Ho Kim 同研究員、平田雄翔同博士課程学生らの研究グループ、Yaroslav Tserkovnyak カリフォルニア大学教授、Se Kwon Kim 同博士研究員(現・ミズーリ大学助教)、Kyung-Jin Lee 高麗大学校教授、Sug-Bong Choe ソウル大学校教授らと共同で、フェリ磁性合金ガドリニウム・鉄・コバルト(GdFeCo)と非磁性重金属プラチナ(Pt)から成る二層膜を用いて、スキルミオンホール効果がフェリ磁性体の角運動量補償温度において消失することを実証しました。
スキルミオンは、外部の擾乱に対して安定であり、非常に小さく、低閾電流密度で駆動可能であるなど、磁気記録媒体として理想的な性質を有しています。しかしながら、スキルミオンホール効果の存在によりその磁気メモリへの応用は困難であるとされてきました。
このため本研究成果は、スキルミオンを利用した超高密度な磁気記録素子や論理回路の実現へ向けた道筋となることが期待されるとともに、2019年1月22日に、その研究成果が英国の科学誌「Nature Nanotechnology」のオンライン版に掲載されました。
論文「Vanishing skyrmion Hall effect at the angular momentum compensation temperature of a ferrimagnet」Nature Nanotechnology (2019)
https://www.nature.com/articles/s41565-018-0345-2
研究の詳細:「フェリ磁性体においてスキルミオンホール効果消失を実証 -スキルミオンを利用した高密度磁気メモリの実現へ道筋-」
https://www.cst.nihon-u.ac.jp/news/export/pdf/20190122_328_t01.pdf
<関連記事>
●日本経済新聞電子版:プレスリリース:京大など、フェリ磁性体においてスキルミオンホール効果消失を実証
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP500648_S9A120C1000000/
●日刊工業新聞:1月22日付27面
「磁極の渦 消失防止 小型磁気メモリー省電力化に道」
●日本大学理工学部ニュース
https://www.cst.nihon-u.ac.jp/news/detail/20190122_328.html